ワクワクを彩る人の履歴書

ワクワクワークは、いつからでも私らしく生きること・働くことを全力でサポートする環境が整っており、年齢や経歴問わずさまざまな方が活躍中です。
実際に料理の資格をもっていなかった方や60代70代の方でも、これまでの人生経験を活かしてセカンドキャリア、サードキャリアで生き生きと働いています。
そこで、この連載では“ワクワクワークを彩る人たちの履歴書”と題して、教室にたずさわる方たちがどんな経緯でここにたどり着いたのか、人生のストーリーをご紹介していきます。

  1. 第1話直感にしたがって軽やかに進む。ワクワクワーク創業者松波苗美さん【前編】
  2. 第2話寛大で芯のあるオーガニックな生き方。ワクワクワーク創業者松波苗美さん【後編】
  3. 第3話奉仕の心で周りをやさしく包み込む。鎌倉本校代表講師鈴木薫さん【前編】
  4. 第4話50代から食の世界の扉を開く。鎌倉本校代表講師鈴木薫さん【後編】

第4話50代から食の世界の扉を開く。鎌倉本校代表講師鈴木薫さん【後編】

ワクワクワークは、いつからでも私らしく生きること・働くことを全力でサポートする環境が整っており、年齢や経歴問わずさまざまな方が活躍中です。実際に料理の資格をもっていなかった方や60代70代の方でも、これまでの人生経験を活かしてセカンドキャリア、サードキャリアで生き生きと働いています。そこで、この連載では“ワクワクワークを彩る人たちの履歴書”と題して、教室にたずさわる方たちがどんな経緯でここにたどり着いたのか、人生のストーリーをご紹介していきます。

第4話は前編につづき、講師養成講座1期生で現在はワクワクワーク鎌倉本校の代表講師をつとめる鈴木 薫さん(61歳)。この後編では50代でワクワクワークに出会うまでの遍歴についてたどっていきます。

いまの感情に従ってためらわずに進む

第3話でご紹介したとおり、“着物が似合うおっかさんになりたい!”と突然思い立ち、和装や礼法を学び、着付けのボランティアをしていた薫さん。一番下の子が小学校に入学するタイミングで本格的に外に働きに出るようになります。そこで選んだのは、意外にも食に関することでも資格を持っていた着物に関することでもありませんでした。

「近くに市立図書館ができるって聞いて。文学部で本が好きだったので、パートとして何かお手伝いできるならやりたいです!って、自分から売り込みの電話をしたんです。司書の資格があるわけでもないのに(笑)。やると決めたら、勢いでいっちゃうんですよね」

暮らしていた市の嘱託職員として働いていた頃

自分のやりたいという感情に素直に動いた結果、運よく採用。最初はパートでしたが、途中から嘱託職員として働くようになります。さらに並行して、常に薫さんの根底にある“誰かの役に立ちたい”という精神から、着付けとは別のボランティアをはじめます。

「自分の子育て経験が誰かの役に立つのではないかと、保育ボランティア講座というのを見つけて飛びつきました。市民館でよく産後のお母さんのための講座があるのですが、それをお母さんたちが受けているあいだに子どもを見てあげるというもの。受講後は保育ボランティア団体も立ち上げたんです。いま考えるとわたし、好き勝手していますね」

保育ボランティア団体では月に一度講座仲間と集まり、子どもたちが気軽に遊びに来られる広場を解放。結果的に5〜6年つづけたのちに、次の人へと譲ります。

「卒業した子が遊びに来てくれたり、下の子が生まれたのをお母さんが見せに来てくれたり、とても温かな場となりました。ボランティア仲間もみんな自分と同世代の子育て卒業者だったので、あらためて小さな子どもたちと遊べるというのをよろこんでいましたね」

本が好きだから図書館で働いてみたい! 子育て経験を活かして誰かの役に立ちたい!と衝動に突き動かされて躊躇なく進んでいく薫さん。それがのちにワクワクワークの代表 菅野のなさんとの出会いにつながっていくのです。

行動力が食の道へのチャンスを引き寄せる

図書館で4年ほど勤めたのち、家庭の事情で嘱託職員の任期が満了する前に辞めることになった薫さん。しかし、それを知った保育ボランティアでつながった方に、任期が残っているなら市民館で働かないかと声をかけられ、市民館で再就職。社会教育指導員として、生涯学習講座を企画・運営することになります。そして、その講座のひとつで講師として呼んだのが、のなさんでした。

「ちょうど料理教室の先生を探していたときに、隣の席の人が“近所にいるよ”とのなさんを紹介してくれて。“笑顔のワーキングママ”という講座だったのですが、いま子育て中でこれから働きに出たいと考えているお母さん向けに現役のワーキングママをお呼びして、どんな生活をしているのかなどをお話しいただくものでした。のなさんには、食の大切さや働くための準備などを教えてもらいました」

市の職員として生涯教育学習の講座を企画していた中でのなさんと出会う

食とは直接関係のない仕事をしながらつながった、自分が大好きな食をライフワークにしている人との出会い。常に自分に何かできることはないかとアンテナを張り、与えられたチャンスに誠実に向き合ってきたからこそ引き寄せたご縁でした。

「のなさんといっしょにご飯を食べに行く機会があったのですが、終わってから付箋にささっと手紙を書いてくれて。それがうれしくていまでも取ってあるんですよ。メールのやり取りをしていたときも、素敵な人だなという印象がありました」

いまでも大切に保管している当時のなさんからもらったメッセージ

その後、任期満了で市民館を退職。ふたたび子育て経験を活かせればと小学校の放課後児童クラブで指導員として勤めているときに、のなさんから誘いの連絡がきます。

「忘れもしない、地元のカフェでのなさんと苗美さんから“講師養成講座の第1期がはじまるのだけどどうですか?”とお話をいただいて。その日のうちにすぐに申し込みしました。講師になりたいという気持ちよりも、ずっと頭の片隅にあった食に関わる仕事がやっと自分にもできるかもしれないという思いが強かったですね」

じつは図書館や市民館で働きながらも暇さえあればキッチンに立ち、人によろこばれるのがうれしくて、幼い頃から好きだったお菓子づくりをしては周囲の人に配って食べてもらっていた薫さん。子どものアトピーがひどかったため、国産無農薬の宅配サービスを利用するなど、ゆるゆるとしたオーガニック生活も送っていました。

50代からの学びで気づいた食の可能性

こうして52歳になってようやく念願だった食の仕事の第一歩を踏み出します。講座修了後はワクワクワークでアシスタントとして働くことになります。

「教室全体の雰囲気がとてもやさしくて。アシスタントをやりませんかと声をかけていただいたときは、のなさんと苗美さんのところにいられるなら何でもさせてもらいますというスタンスだったのですが、ただ作り方を教えるだけではなく、料理で人の心を動かせるのだというのを間近でみて、こういうことをやりたい!と思うようになりました」

そして、アシスタントとしての経験を積んでいたある日、突然メイン講師に抜擢されることになります。

「チャンスがあれば断らずにやろうと思っていたのでお引き受けしましたが、実際にやってみると難しくて。人の心に残る言葉を伝えられているのか不安で、まだまだという想いは常にありますが、レッスンをしているうちに生徒さんの顔がだんだん柔らかくなって最後はすごく楽になりましたとか考え方が変わりましたといわれると、やりがいがありますね。料理は人を変えられる力があると実感しています」

昨年には鎌倉本校の代表講師に就任。みんなから憧れられる存在となりました。プライベートではお孫さんにも恵まれ、ますます充実した日々を送っています。

「これだけ生きていれば失敗もいろいろあります。でも、過去は振り返りたくない。目の前のことに精一杯取り組んできたので、いまがとても幸せなんです。自分の感情を大切に、ポジションや資格にはこだわらず、好きな気持ちで動いていいのでは。わたしも不得意なことはありますが、ワクワクワークでは得意なことを生かす制度を整えてくれています。食は人の心を動かし幸せにする力があるので、これかもおいしいものをつくって伝えていきたいですね」

薫さんの存在が、年齢であきらめている人、セカンドキャリアに悩む人、新しいことをはじめる自信がない人など、たくさんの人に勇気を与えてくれます。些細なことでも自分にできることはないかを探し続けて動いていれば、いつかはフィットする場所に巡り会えるのかもしれません。


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