お寺の名前が語源?!〜神奈川の郷土料理「けんちん汁」

住んでいる地域、生まれ育った地域に伝わる
郷土料理をご存知ですか?

郷土料理は、各地域の産物を活用し、
風土にあった食べ物として作られたもので
歴史や文化とともに代々受けつがれています。

今回は神奈川県の「けんちん汁」をご紹介します!

けんちん汁は、建長寺汁が語源とされており、
神奈川県鎌倉市の建長寺(建立1253年)が発祥とされている精進料理です。

 

その特徴はというと、
・残り物の根菜、季節の野菜など、ありあわせのものを使う。
・鰹節や煮干しのダシは使わない、昆布・シイタケのみを使う。
・ごま油で炒める。
・豆腐はもみつぶす。
・炒めながら醤油で下味をつけ、水を入れて煮たあとに
仕上げの醤油で味付けをする。


複数の具材を一度に入れて煮るのではなく、
季節の野菜を固いものから順に、ごま油で炒め
野菜が煮あがったところに、豆腐をもみつぶして入れます。

この豆腐をもみつぶすところが建長寺汁のはじまりと言われています。

どうして豆腐をもみつぶすのでしょうか?
こんな言い伝えがあります。

ある日、建長寺近くの住人が、大覚禅師(建長寺を開いた僧)に
一丁の豆腐を寄進しました。

禅師は、「一人で食すことは仏祖に申しわけがない」と、
膝下の修行僧とともにいただくため、食事係である典座(てんぞ)に
その一丁の豆腐を渡しました。

典座は、700人ほどもの修行僧に
どうすればいきわたるかを思案したあげく、
汁に豆腐をもみつぶして入れることに。

皆に広く公平に行き渡るようにということは、
仏教の「食平等(じきびょうどう)」の教え。

建長寺汁の豆腐は、まさに食平等の象徴ですね。


また、精進料理として野菜の扱いにも禅の教えが込められています。
・皮まで残さず使う
・食材はなるべく薄く、細かく切る。

殺生をしてはいけないという教えから
肉や魚を使わない精進料理ですが、

植物である野菜に対しても「他の者の命をいただく」
という気持ちを大事にしているのですね。


旬の野菜をたっぷり使って作る
建長寺汁が語源のけんちん汁。

このひとつのお椀の中に、人の思いや尊さを感じます。
私たちも全ての食材に感謝し、味わっていただきたいですね!


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