6月なのに氷? 氷の朔日(ついたち)とは?
旧暦の6月1日は氷の節句、氷の朔日(ついたち)と言われています。
6月なのに氷?不思議な感じですよね。
旧暦と新暦には、少しずれがあります。
旧暦の6月は夏の暑さを感じる頃でしょう。
古くは室町時代。
暑さをしのぐため、6月1日に氷を取り寄せ、
臣下とともに氷を食べることで暑気払いを行う、
宮中での儀式「氷室(ひむろ)の節会(せちえ)」が行われていました。
「氷室」とは、地下などのひんやりと涼しく、
冬の雪や氷を夏まで保存しておける場所で、
宮中ご用達の氷室が各地に作られていたそうですよ。
昔は冷蔵庫もない時代。
氷は貴重品だったんですね。
いまでは、かき氷が手軽に楽しめますが、
冷蔵庫がないと、食材の保管に困りますね。
昔は、6月1日に氷を楽しめるのも一部の人たち。
なにか氷に似た食べ物はないものか?
そう考えた民間の人々は、
お正月に収穫したお米を搗き、お餅にし、
乾燥させて作った保存食の
氷餅(こおりもち)や、凍み餅(しみもち)を
この日に炒って食べるようになったとか。
この炒り餅を食べることで「歯固め」になったとも言われています。
歯が丈夫になり、健康に長生きできるようにと願ったのだそう。
煎り豆やあられを「歯固め」として食べている地方もあるようですよ。
昔の人たちのユニークな発想や、
理にかなった発想を知っていくと面白いですね!
今でも旧暦の6月1日の頃、「氷室祭」が行われたり、
新暦にあてはめ、7月に行事が行われたりと地域によって違いはありますが、
無病息災の願いを込めて大事に受け継がれています。
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