6月の「入梅いわし」とは?
6月の今頃に水揚げされるいわしは「入梅いわし」といわれ、
1年のうちでもっとも脂がのっていて美味しいと言われています。
いわしは昔から安くておいしい庶民の魚の代名詞。
全国の沿岸から沖合にかけて広範囲に生息する回遊魚で、
大きさは全長が10センチから大きくても30センチくらいまでしか成長しません。
日本でいういわしは、マイワシ・ウルメイワシ・カタクチイワシの3種類。
「入梅いわし」はこの時期に水揚げされる産卵前のマイワシのことをさします。
日本一のマイワシの水揚げ港のある千葉県の銚子では、
新鮮ないわしを刺身、塩焼き、煮つけの他、
そのまま酢漬けにし、大豆のおからで漬け込む
「卯の花漬け」という伝統料理が保存食や常備食として食べられています。
いわしの団子汁・なめろう・さんが焼きなどもおいしい!
旬を迎えるこの時期、いわし料理をいろいろとたのしみたいですね^^
ところで、「入梅(にゅうばい)いわし」の入梅とはなんでしょうか。
入梅とは、
気候の変化の「梅雨入り」とは違い、
暦の上で決められた日です。
雑節(ざっせつ)の一つとされ、
中国から伝わった二十四節気や、端午の節句などの五節句とは違い、
季節の移り変わりを分かりやすくするための、
日本独自の暦とされています。
昔は、「二十四節気の芒種(ぼうしゅ)以降の、最初の壬(みずのえ)の日」
または「立春から数えて135日目」などとされていました。
現在では、
太陽の位置を基準として考えられ、6月11日頃を指します。
(2023年の入梅は6月11日になります。)
では「梅雨入り」との違いはなんでしょうか。
梅雨入りとは、気象庁の発表によるものです。
天気の変化によるため、
毎年時期も違いますし、地域によっても変わってきます。
農作業を主に暮らしていた人々は、
田植えを迎えるこの時期の雨は欠かせないものでした。
そのため、暮らしに沿った、
より農作業のスケジュールに合わせた
「入梅」や「雑節」を定め、日々の暮らしの目安としていました。
暮らしから、暦を定める。
昔の人たちの知恵が詰まった暮らしが
現在にも息づいているんですね。
▼毎月の暮らしの知恵、
旬と行事食を詳しく学べる通信クラスをご用意しています。